「ひちやぎホテルって本当にあるの?」そんな声がネット上で急増中。話題の心霊動画の舞台となった謎のホテルの正体に迫ります。フィクションなのか、それとも…?
- 「ひちやぎホテル」が実在するかどうかの結論
- 三重県須賀原という地名の真偽
- 心霊動画の演出や登場人物の正体
- 雨穴さんの作品に込められた意図や世界観の魅力
ひちやぎホテルは本当に存在するのか?実在性と三重県との関係を検証

ひと晩泊まったら忘れられない――そんな都市伝説のような噂がささやかれる「ひちやぎホテル」。ネット上では“心霊ホテル”や“実在する?”というキーワードとともに注目されていますが、実際のところこのホテルは存在するのでしょうか?
結論から言うと、「ひちやぎホテル」はフィクションの舞台であり、現実には存在しません。ですが、そのリアルすぎる描写に多くの人が「本当にあるのでは?」と錯覚してしまうのも無理はありません。
ひちやぎホテルは実在する?検索結果と実地調査の結果
雨穴さんの作品『あの日、彼らは何をした』では、三重県須賀原にあるとされる「ひちやぎホテル」が物語の舞台として登場します。しかし、実際に「ひちやぎホテル」を検索しても、それらしいホテルは一切ヒットしません。
作中ではホテルはすでに営業を終了しているとされていますが、仮に実在した建物であれば、たとえ閉業していてもGoogleマップなどには地名や建物の痕跡が残るのが一般的です。しかし、「ひちやぎホテル」については、それすらも確認できませんでした。
こうした状況からも、「ひちやぎホテル」は実在する施設ではなく、あくまで物語のために創作された“架空のホテル”であると判断できます。
ネット検索で「ひちやぎホテル」を調べても、公式サイトはもちろん、旅行サイトや地図サービスにもまったく情報が見つかりません。通常、閉業したホテルでも何らかの痕跡がネット上に残るものですが、それさえもありません。
これはつまり、「ひちやぎホテル」は完全に創作された存在であることを示しています。
ひちやぎホテルは三重県にある?須賀原の正体とは
物語の舞台とされるのは“三重県須賀原(すがはら)”。一見リアルな地名に見えますが、地図にも役所の記録にもこの地名は見当たりません。
「須賀原」という地名は、リアリティを持たせるために作者が考案した架空の地名。似た響きの「須賀利」や「菅原」という場所は実在しますが、「須賀原」は創作の産物です。
ひちやぎホテルは廃墟?Googleマップに痕跡は?
“実在するなら、廃墟としてでも何かしら情報が残っているのでは?”という声もあります。しかし、Googleマップで調べても該当する場所や建物の痕跡は一切見つかりません。
つまり、「昔はあったけど今は閉業したホテル」ではなく、最初から存在しないホテルである、ということです。
ひちやぎホテルの心霊動画と雨穴作品の仕掛けとは

では、なぜここまで「ひちやぎホテル」がリアルに感じられるのでしょうか?その理由は、作者・雨穴(うけつ)さんによる巧みな演出にあります。
ひちやぎホテルの心霊動画は本物?仕掛けと演出の妙
YouTube上には、「ひちやぎホテルの心霊映像」と称された動画が投稿されています。青白い光や不可解な物音が映されたその映像は、いかにも本物らしく見えます。
しかし、これもまたフィクション作品の一部。動画、新聞記事風の画像、宿泊名簿など、すべてが物語を盛り上げるための演出です。言ってみれば、映画のワンシーンのようなもの。リアルな演出に騙される人が多いのも納得です。
ひちやぎホテルの倉辺とは誰?復讐劇のカギを握る男
物語の中で登場する“倉辺誠二”という人物は、かつてアイドルの命を奪ったとされる男。彼が亡くなった夜、ホテルの窓から“幽霊”のような巨大な女性の顔を見て驚き、車で事故死するという展開が描かれています。
この演出の裏には、宿泊客8人が仕組んだ復讐のシナリオが隠されています。夜光塗料で描いた肖像を見せ、心理的に追い詰めていく描写は、読み手に強いインパクトを与えます。
ひちやぎホテルの雨穴的世界観に震える理由
「ひちやぎホテル」は、雨穴さんのホラー作品『あの日、彼らは何をした』に登場します。この作品は、あたかも本当にあった事件のように感じさせる構成が特徴です。
新聞記事風の画像、実在しそうな地名、心霊映像、関係者の証言…それらすべてが組み合わさって、“実在していたかもしれない世界”を作り上げています。
特に印象的なのは、タイトルの「ひちやぎ(七山羊)」という名前。これはグリム童話『オオカミと七匹の子ヤギ』を思わせるもので、物語に深いメタファーを与えています。
- 「ひちやぎホテル」は実在しない、完全に創作されたホテル
- 舞台とされる「須賀原」も架空の地名
- 心霊動画や新聞記事風の資料もすべて演出の一部
- 作者・雨穴さんによる徹底した世界観作りが話題
- 実話風のミステリー小説として高く評価されている作品
都市伝説と創作が交差するこの作品。「信じたくなる嘘」をここまで巧妙に描ける雨穴さんの手腕には、思わず唸ってしまいます。